証券の格付けにあまりに多くを期待し過ぎてはいけないのではないか。証券の売買に当たって格付けを利用するには、証券の発行に関与している当事者ではなく、第三者が評価したものであるという客観性が必要だ。この意味では、なんらかの規制を導入するなどによって、格付け会社の独立性を確保したり、評価手法を明確にしたりすることは重要だ。しかし、いくら格付け会社の規制を強化しても、格付けの精度を非常に高くして、問題が全く起きないようにすることができるとは思えない。
格付け会社が最善をつくしてサブプライム・ローン関連債券の評価をしていたとしても、それが状況の変化を正しく予想できたかどうかは疑問である。「投資に関する最終判断は、お客様ご自身でお願い致します」という、決まり文句がここでも当てはまるだろう。ムーディーズが2002年5月に日本国債の格付けをボツワナ以下に引き下げるなど格下げが相次いだ際に、財務省が同社をはじめS&Pなど数社に意見書や質問状を送りつけたということもあった。日本国債はこうしたできごとにも関わらず買われ続け、長期国債金利は低下を続けたのだから、日本の投資家などが格付け会社の判断を単純にそのまま鵜呑みにして受け入れてきたという訳ではないのは明らかだ。
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